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​症例1

以下は私が担当した患者様の症例ノートの一部です
​難しい専門用語をなるべく抜いてお伝えしやすくしたものです
似た症状の方のご参考になればと思います
症例は随時増やしていく予定です
※尚掲載症例は患者様の了解を得たものです

 

​線維筋痛症

​主訴

​現病歴
​鍼灸以外の
治療歴
​過去の病歴
​診断
​治療と経過
​まとめ
38歳 女性

右肘、左脇腰、左膝、左太股に耐え難い切られるような痛み

頭の疼痛も頻繁に起こる(こめかみ付近が多い)

事務のお仕事をされていたが痛みのため休みがちになり退職された。

最初は医師に処方された痛み止めに効き目があったが痛みの取れない時もあり、別の種類の痛み止めを処方してもらうが頻繁にふらつきが出るようになった。最近は痛む時間が増え家事もままならなく横になっていることが多い。夜も寝つきが悪く途中で目が覚めてしまうことと食欲なくお腹が緩くなることが多いとのことで、改善を望むお気持ちを強く訴えられていました。

内科、外科、脳神経科と受診したところ線維筋痛症と診断を受けた。

​痛み止めが処方された。

​特記すべきことなし

舌は紫赤色で瘀血があることを示し、脈は痛みが強いことで不整脈もある。お腹の状態や痛みの個所から足の厥陰肝経と手の厥陰心経に異常が認められた。

痛みを取るため問題のある経路のツボに鍼灸治療をした。

​使用した代表的ツボは神門、太衝、心兪、肝兪

初診 初めての鍼灸治療なので刺激量は少なく施術。お灸の効き目がある。痛みは6割ほど取れた。

週一回の治療を続ける。

4診   8割ほど痛みが取れた模様。

8診   ほぼ痛みがなくなった様子で日常生活に問題がなくなったとのこと。

月一回で1年治療し痛みが出ていない状態のようなので治療を終了した。

線維筋痛症の痛みはナイフで切られるような痛みとかガラスの鋭い破片が刺さっているような痛みとか想像を絶する痛みの表現をされることが多い。線維筋痛症の患者さんの中には生き続けることが辛いと究極の訴えをされる方もおられ、こちらも早く痛みを軽減してあげたい気持ちが強まる。大抵は8診ほどで8割の改善が見られるが、さらに研究、改良が必要である。

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​三叉神経痛
75歳 女性

​主訴

​現病歴
​鍼灸以外の
治療歴
​過去の病歴
​診断
​治療と経過

右側頭部から額の真ん中まで頭が割れるように痛い。

5年前に三叉神経痛と診断された。神経ブロック注射をして痛み止めが出ていた。昨年11月右側頭部から額の真ん中まで頭が割れるように痛くて目が覚めた。月2回神経ブロック注射をして痛み止めを飲んでいるが食事をしたり雨が降ったり寒い日は特に辛い。

​子供たちに勧められて来院した。

歯科、脳神経外科、ペインクリニックと受診したところ三叉神経痛と診断を受けた。神経ブロック注射をし、痛み止めが処方された。

25歳虫垂炎、28歳乳腺炎、46歳大腸ポリープ摘出、55歳変形性膝関節症​

舌は赤く熱状態、脈は瘀血を示している。

右側の首から背中の筋緊張が見られる。

両足ともに冷えてむくみがある。

​触診と問診により足の厥陰肝経と足の少陽胆経​に異常がある。

足の少陽胆経は三叉神経の走行と重なるところがある。

痛みのある所には触れずに手足と背中で足の厥陰肝経と足の少陽胆経​を整える鍼灸治療をした。

初診 痛みは5割ほど取れる。

週一回の治療をした。

治療直後ではなく3日目が調子が良く痛みは6割ほど取れた。

5診   8割ほど痛みが取れた。

9診   ほぼ痛みがなくなり日常生活に問題なし。

​その後月一回の治療で痛みが出ていないが膝関節や体質改善の鍼灸治療をしている。

​まとめ

三叉神経痛の痛みは繰り返すことが多い。長い間痛みを我慢しているので精神的にも問題が出る。

痛みがあるため、頭部は暑いのにお腹から足先までは冷えている。温めて全身の血の流れが良くなることで痛みも軽減される。痛みがあるところだけではなく他の部分にも原因があることも多い。細かく状態を見ることが大切です。

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​パーキンソン病
46歳 女性

​主訴

​現病歴
​鍼灸以外の
治療歴
​過去の病歴
​出産歴

右手指を動かすとこわばる。右の足もこわばりがあり、時々つまずいたり転倒してしまう。便秘がひどく下剤を飲まないと便通がない。

10年前から頻繁に手が震え、色々な病院で検査して3年前にパーキンソン病と診断された。薬が処方され震えは止まったが、左手指を動かすとこわばる。左の足もこわばりがあり、時々つまずいたり転倒してしまう。また突然足が思った通りに動かなくなることもあり外出が恐怖だが負けたくない気持ちも強い。

便秘もひどく下剤を飲まないと便通がないので気持ちも塞いでしまいがちだが、東洋医学に興味があり鍼灸治療を受けてみたいとの思いで来院した。

内科、整形外科、脳神経外科と受診し神経内科に通院中。転倒で右膝を打ち整形外科に通院中。

35歳の時に腰椎ヘルニアを患い、注射と湿布で直した。病気で入院したことはない。​

20代で二人の女の子を出産。
​診断

舌は苔が厚く水の滞りがあることを示し、脈は足の厥陰肝経のみが強い。転倒のため足を引きずり杖で支えている。身体中が固く筋力も弱く痩せている。猫背。お腹も固く張っている。東洋医学では胸脇苦満と言って気に滞りがあることを示す。足は冷たい。気と水の流れを良くして肝の経路でバランスをとる鍼灸治療をする。週一回での治療ををお勧めした。

​使用したツボ 足三里、太衝、陽陵泉、風池、天枢、太渓

​治療と経過

初診 全身の流れを良くするため頭から手足のツボを使用して鍼灸治療をした。お腹にはお灸をした

   が熱さをあまり感じていない様子であったが治療の途中でお腹が動き始めたようだ。足も動き    

   やすくなったようで引きずらないで歩いて帰宅された。

2診   運動がお嫌いとのことなので負担にならない程度の軽い手足の運動をご提案させて頂いた。

​4診   治療の翌日は下剤なしで便通があるようになられた。

8診   指の動きが良くなってきたようだ。

10診 やる気が出てきて日常生活で笑えるようになってきたようだ。

11診 鉛筆を持てなかったのが持てるようになり字が書けるようになってはいるが書いていると文字

   がどんどん小さくなってしまう症状がまだあり治療継続中

​まとめ

パーキンソン病のヤール2の診断だったが、家に閉じこもり運動もしていないので廃用症候群になってもおかしくない。運動が必要である。パーキンソン病のうつ症状を軽減していく。5診目から表情が出て心を開いてくれた。少しずつ楽になっていくのを実感したとのこと。鉛筆を持って字が書けたことはとても嬉しく毎日練習されているようだ。

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脳血管障害後遺症
 
68歳 男性

​主訴

​現病歴

左上下肢が麻痺して動かない。

65歳の時にくも膜下出血後に左上下肢が麻痺で動かなくなった。拘縮はしていなくダランとして力が入らない。リハビリはしているが左も動かしたい​。寝返りもうてないので寝ていても背中が暑くて辛い。

​鍼灸以外の
治療歴

脳神経外科​

​過去の病歴

​30歳 虫垂炎

​診断

​左上下肢に右と比べると鈍いが温度の感覚と痛覚は認められるが、全く動かない。週2回半年の治療会話に問題はなく、早口でも話せるし頭の回転も良いよう。机にスマホを置いて右手で使いこなしている。

​舌は瘀血があることを示し、脈は気血が不足していることをあらわしている。お腹の状態や痛みの個所から足の厥陰肝経と大腸経路に問題がある。

​治療と経過

初診から5診

体のこわばりは緩和してきた様子。夜痛みが出て眠れないことはなくなったとのこと。足はだらっとした感じがなくなってきたらしいが腕はだらっとしたままです。

5診から20診​

風邪をひいたり転倒したこともあり、なかなか進まないが右手で左腕を持って動かすのが楽になっているようだ。(すこし感覚が戻ると軽く感じます)

21診

週1回の治療から週2回の治療にしてもらいマッサージとストレッチも行う。

手足が冷たくなることがなくなり足首の関節が動くように治療を進める。腕に関してはひじを重点的に行った。

40診

膝が寝ている状態で少し動くようになり、腕から肩にかけて右手で上にあげる運動が上手になりリハビリで機械を使用できるようになった。

64診

車いすに座っての治療をスタートさせ立ち上がりの練習も開始。

腕は寝そべっている状態で自力で腹部まで上げれるようになっている。

週2回半年の治療で指以外の左上肢が動かせるまでに回復しているが指はまだ動かない。左下肢は寝ている状態で膝が動かせるまで回復。

寝返りの練習を始めて自力で右も左も向けるところまで回復。

​まとめ
脳血管障害の後遺症である麻痺でも弛緩性の麻痺はなおりにくいとされる。時間はかかるが動くように回復していくことを実感している。
​鍼灸治療とリハビリを同時に行うと効果が出やすい。
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脊柱管狭窄症  67歳 女性

​主訴

​現病歴
​鍼灸以外の
治療歴
​過去の病歴
​出産歴
​診断
​治療と経過
​まとめ
腰がいたくて10分位しか立っていられない。

7年前に転倒し腰を痛めた。4年前には脊柱管狭窄症と診断された。2年前から散歩をしても10分ぐらいで痛みが出て歩けなくなる。腰かけて休むとまた歩けるようになる。朝、起きたときも腰が痛い。太ももの裏にも違和感がある。

内科 血圧が高く薬を飲んでいる 整形外科 7年前から通院している。痛みが出ると神経ブロック注射をし、痛み止めが処方された。

20才虫垂炎、38才胆石摘出手術 60才転倒、63才脊柱管狭窄症

25才、27才、31才で出産

舌からは消化不良、脈は不整脈 両側のくびから背中の筋緊張が見られる。 両足ともに冷えてむくみがある。お腹から腰にも冷えが認められる。 腰椎4、5番変形、変形性膝関節症あり、猫背、真っ直ぐ立てない。左あし拇趾が浮いている。 姿勢悪く、立位での問題が多いため姿勢の改善を行い、全身の血行を良くしていく治療をしていく

​初診では頚から腰までの筋肉を緩め、体を動かせるよう治療した。あまりに動きが悪いので少しずつ緩めていく方針だがすでに 足が軽くなったとのこと。 週2回通院してもらい1ヶ月で姿勢の改善が見られるので週1回の治療に変更した。2か月後には朝起きたときの腰の痛みはほぼなくなったそうで治療の成功をうかがわせる。 3か月後30分立っていても痛みは出ない様子なので 月1回の治療に変更。すでに日常生活に何ら支障はない様子だが健康維持のため治療を継続中。 

立つのが辛くなってからお菓子を食べたり間食が多くなったようで、(ご本人が言うには一日中何か食べてる)体重が増えてしまったご様子でしたが、初診時から生活習慣の改善の提案を実行されて3か月で8キロお痩になられました。30分程立ち続けられるようになった後は好きなお料理もできるようになり毎日が楽しくなってきたとおっしゃられており、適度に運動もされ生活が良い方向に向かっているようだ。姿勢も良くなり娘さんに若くなったと誉められおしゃれにも関心が出てきたそう。今後も高血圧、不整脈、腎臓の衰えは継続して治療していきますが、このように悪い生活習慣を改善して明るく前向きな毎日を送れるようになると病気の治療の効果も1段も2段もアップして全てが良い方向に進んでいくと改めて実感した。

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